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ある10円玉の物語

2012-09-13 10円玉

こんばんは、sai_takaです。

先日、写真のような10円玉を見つけました。
この10円玉にまつわる物語のひとつを、ご紹介しましょう。

◇◇◇◇◇◇

「ねえ、あのお花、まだある?」

あの子がやってきた。

私は「うん、大丈夫。まだあるよ。」と答えながら、店の中を見渡した。

色とりどりの花が、並んでいる。


私は、小さな頃から憧れだった花屋で働いている。
大きな店ではないが、そのこじんまりした雰囲気が、自分は好きだ。

まだバイトの身だが、将来は、自分で店を開けたらいいなと思っている。


最初に、その男の子が店にやって来たのはいつだっただろう。

お母さんの誕生日にプレゼントしたいと言って、毎日のように、ある花を見に来る。
小さな子供には、花束は高価で買えないが、たとえ一本でも、もらった母親は嬉しいだろう。


「今、家でおてつだいをしてるんだ。」

「そうなんだ、えらいねえ。」

「もうちょっとで、お花が買えるから、ちゃんとお花とっといてね!」


数日後、目をキラキラさせながら、あの子がやってきた。

「あのお花、下さい。」

言いながら差し出された小さなサイフが、パンパンになっている。

「はい。よく頑張ったねえ。」

そのサイフを受け取ると、中には、小銭がたくさん入っていた。
カウンターに中身を出して、お金を数えていく。

10円玉がほとんどだった。何日、お手伝いを続けたのだろう。

1枚、2枚、3枚・・・

「これ、10円が10個分だよね。お兄ちゃんが言ってた。」

見ると、誰かのイタズラだろうか、10円玉の「10」のとなりに、マジックのようなもので「0」が書き加えられている。

「お金、これで足りる?」

これを100円玉と考えれば、ちょうど花の値段になる。
しかし、10円玉は10円玉。僅かに足りない。

この子のお兄ちゃんは、弟が買い物をするとは思わず、何の気なしにそんなことを言ったのだろうか。
男の子が、心配そうにこちらを見るのが分かる。

少し考えて、私はにっこり微笑んで言った。

「うん、足りるよ。お母さん、きっと喜ぶよ!」


本当に嬉しそうに、店から出て走っていった男の子を見ながら、私も、本当に幸せな気持ちになった。
差額は、自分のポケットから出したが、そんなことは些細なことだった。

◇◇◇◇◇◇

10円玉を見ながら、いろいろと想像を膨らませてしまいました。
こんな物語があっても、いいのではないでしょうか。



それでは、今日はこのへんで。

by:sai_taka
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プロフィール

sai_taka

Author:sai_taka
B型・かに座・寅年生まれの、ごく普通のサラリーマンです。

ここ数年、アロマテラピーに興味を持ち、勉強をはじめました。
2012年に、「AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー」の資格を取りました。現在は、さらに上位の資格を目指して勉強中。

「心に余裕を生み出して、自分に優しく・他人に優しく。」
ひとりひとりがそうなれば、社会全体が良くなるはず。

アロマテラピーやライフハック、ガジェットを活用し、ストレスフリーな生活を送るための方法を探しています。

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